不妊症について

タイミング療法
  基礎体温や超音波による成熟卵胞測定およびホルモン検査などによって排卵日を推定し夫婦生活(性交)をおこなうのに最適な日を指導します。一回一回のタイミングを大切にするため、フーナーテストが良好なこと、卵胞が破裂したことを確かめながらの施行を心がけます。
「生殖医療のコツと落とし穴」参照
人工授精(AIH)
適応
人工授精(AIH)は調整した精子を女性の子宮内に注入する(IUI)方法であり、
(1) 性交障害
(2) フーナーテスト不良例
(3) 排卵障害もしくは黄体機能不全に対して排卵誘発剤を使用し排卵は可能になるものの子宮頚管粘液の分泌が不良になった場合
(4) 精子所見の軽度の異常
が適応となります。
一連の不妊症検査が行われ、排卵を確認し、基礎体温をもとにしたタイミング法を何回か試みても妊娠しない場合の次のステップとして多用されています。
人工授精を行うまでに、
(1) 排卵の有無
(2) 卵管通過性の有無
(3) 精液検査などの検査
が必要です。
卵管通過性検査や精液検査の所見によっては直接体外受精や顕微授精を採用したほうがよい場合もあります。
AIHで妊娠するには
  AIHの周期あたりの妊娠率は5~8%、症例あたりの妊娠率は20%前後と報告されています。 妊娠するためには十分数の運動精子を排卵時期に合わせて、卵管の近くに入れことが大事と言われています。 卵胞が破裂しないLUF(黄体化未破裂卵胞)という状態が15%近くに認められます。 卵胞の大きさに比べてホルモンの値が低い場合や卵胞がまだ小さいうちに内因性のLHサージがおこったりする時はAIHを控えたほうがよい周期もあります。 一回一回の治療を大事にするため、排卵があったことを確かめるようにしています。
  排卵誘発剤を使用し両側の卵巣から複数の排卵があるようにすることで、周期あたりの妊娠率が10~15%にあがるといわれていますが、多胎妊娠や卵巣過剰刺激症候群も増えるといわれています。
  排卵日にご主人の採精が困難なかたは精子の凍結もできます。ご相談下さい。
AIHの限界を見極める
  AIHはやはり3回以内での妊娠成立が多く、5回から6回以上ではなかなか妊娠が成立しないことが分かります。 妊娠しにくい因子として、38歳以上の年齢因子、卵管因子がある場合、子宮や卵巣の手術歴がある場合、不妊期間が3年を超える場合などが成功を妨げるとの報告があります。 また、処理後の総運動精子数が100万~200万は少なくとも必要といわれています。