不妊症について

卵管機能検査
  卵管の機能は、
(1)排卵された卵をピックアップして卵管内に取り込む。
排卵した卵を卵管に取り込めないため
精子との出会いがない原因不明不妊の多くを占める。

「不妊治療ガイダンス」参照・一部改変
(2)精子が子宮腔から卵管までさかのぼる
  (疎通性がある)
(3)卵子と精子の受精にふさわしい場を提供する
(4)胚の形成と輸送
  ((3)と(4)は培養液と培養器の役割)
(5)子宮内膜へ胚を送り込む(胚移植)
ということになります。
培養液や培養環境の進歩は著しいものがありますが、正常の卵管に勝るものはまだありません。
  私たちが行う卵管疎通性の検査はいずれも(2)が可能であることを示すだけで癒着等によるピックアップ障害やクラミジア感染後の卵管内容液や胚を運ぶ卵管内腔上皮の質の低下を証明することはできません。 採血によるクラミジア抗体価、腹腔鏡による卵管周囲癒着の評価や卵管鏡での観察も、卵管内環境の低下を示唆するにすぎません。
  不妊症の原因の中でもっとも頻度が多い卵管機能障害の評価は実は非常に難しいことになります。原因不明不妊症の多くは実は卵管機能障害によると報告もあります。
子宮卵管造影
超音波下卵管造影
腹腔鏡

いずれも疎通性は分かるが他の卵管機能は分からない。
フーナーテスト(PCT)
  排卵の数日前になると子宮頚管粘液は徐々に増量し、排卵直前には0.3mlから0.4mlに達します。卵の白身のように軟らかく糸を引き、10cm以上となります。 頚管粘液は単に精子の通過路となるだけではなく、精子の貯蔵、選択、活性化などの妊娠するために非常に大事な役割を担っています。 フーナー試験は膣内に放出された精子が頚管粘液内に侵入し、そこで運動性を保った状態で存在しているかを調べる検査です。検査前日(排卵日前)の夜(もしくは当日朝)に性交をし、午前中に検査します。子宮頚管粘液を少量吸い取り、顕微鏡を通して検査します。当院では顕微鏡とモニターを通して患者さんとともに観察します。頚管粘液の状態。精子がいるかどうか。また運動性はどうかなど精子の状態の目安もつきます。
  タイミング法を行う場合、フーナーテストが正常であることが大前提になります。周期により状態が変わることから、フーナーテストと排卵をきちんと確認して行きたいものです。特にクロミフェン(クロミッド)を使用する場合 頚管粘液の性状が変わるため確かめる必要があります。
  フーナーテストが悪い場合(約15%)、免疫性不妊症がないかを確かめるため抗精子抗体を調べます。抗体が陰性の場合は人工授精の適応となります。