不育症について

系統だった原因の検索とそれに対する適切な処置を行います。
  せっかく宿った命が途中で消えてしまう。 流産や死産は女性にとってとてもつらい出来事です。 不育症は英語でrecurrent pregnancy lossと表現され、子供が欲しいと思いながらも流産や死産を繰り返し、生児が得られない場合を示します。 流産を2回続けて経験した場合を反復流産、3回以上の場合は習慣性流産といいます。 一人もお子さんがおられない方で流産が2回以上続いた場合、次の妊娠が流産になる可能性は45%と報告されています。 一人でも赤ちゃんがいる方が2回以上の流産がつづいた場合の次の妊娠が流産になる確立は24~32%と言われています。 妊娠初期の流産は15~20%に認められ、その7割以上は赤ちゃんの染色体等が弱く育つことができない場合で、治療の手立てはありません。 しかし、近年不育症の原因が次々と分かるようになってきました。その原因は種々にわたりひとつではない場合もあります。 系統だった原因の検索とそれに対する適切な処置を行うことで元気な赤ちゃんを得ることもできます。 なかでも不育症の原因の約20%を占めるといわれている抗リン脂質抗体症候群も次々と新しい抗体が発見され、治療法も確立されてきました。
不育症の原因と検査
原因 検査
子宮の異常 先天的な子宮の形態異常、
子宮筋腫、子宮腺筋症、
子宮内癒着症(流産手術後など)
超音波断層法
子宮卵管造影
子宮鏡 など
染色体異常 胎児の発生初期に生じるものと
両親の染色体異常に起因するもの
染色体検査
(両親)(胎児)
代謝異常 甲状腺機能異常、糖尿病 甲状腺機能検査
耐糖能検査
内分泌異常 黄体機能異常、多嚢胞性卵巣症候群
高プロラクチン血症
ホルモン検査
自己免疫疾患 抗リン脂質抗体症候群をはじめとする
自己抗体に起因するもの
各種抗体検査
凝固能異常 凝固能異常で血栓ができやすいため 線溶凝固系検査
血液不適合 母児間での種々の血液型不適合 血液型、間接クームス
同種免疫異常 妊娠継続に必要な遮断抗体産生障害 夫リンパ球移植
その他 致死的遺伝子異常、感染症、環境因子